KADOKAWAの「ちょくマガ」、月額制メルマガ配信終了

ごきげんよう、有料メルマガ評論家の渡辺文重です。KADOKAWAによる有料メルマガ配信サービス「ちょくマガ」が終了するそうです。

・月額制メルマガ配信終了のお知らせ
http://chokumaga.com/info/notice/?nid=1079


「ちょくマガ」で配信されていたメルマガは、ニコニコチャンネル「ブロマガ」に移行するとのこと。これもKADOKAWAとドワンゴが統合された影響の1つと言えるでしょう。こうした事情もあるため、「ちょくマガ」が「ブロマガ」に吸収されたことに関しては、否定的な印象は持っていません。

【参考記事】
・角川・ドワンゴ経営統合 アニメなど「ニコ動」で海外へ
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ130F6_T10C14A5MM8000/

しかし、「ちょくマガ」はサービス開始時に、「出版社が手掛ける編集力」を特長として掲げていました。

文庫、小説、コミック、テレビアニメ、雑誌を手掛ける角川グループが、出版社ならではの“プロの編集力”を通じたアイデアと読み応えのある“ちょくマガだけ”の良質な記事を提供します。


こうした特長は、最後まで見せられなかったと思っています。確かに、富野由悠季氏やみうらじゅん氏の有料メルマガでは、編集者の存在が感じられましたが、そのほかの有料メルマガで「プロの編集力」が感じられることは、ほとんどありませんでした。そもそも、編集者がいたのかさえも疑問です。そうした考察は、過去の記事にて行っています。

【参考記事】
・「有料メルマガは編集者が重要」イケダハヤト氏の投稿を考察
http://www.targma.jp/watanabe/2013/12/25/post3863/
・有料メルマガレビュー『電脳たけくまメモ
http://www.targma.jp/watanabe/2013/11/27/post3591/

堀江貴文氏の事例だけを見て「有料メルマガはもうかる」みたいなイメージを持たれている人も多いのですが、実際には、有料メルマガは購読者が300人いれば成功みたいな世界です。そうした小さな市場に、出版社が「プロの編集力」を注ぎ込むメリットがないことは容易に想像できます。

【参考記事】
・本当に実践的な有料ブロマガで購読者数を伸ばす方法(夜間飛行 井之上達矢)
http://ch.nicovideo.jp/blopro/blomaga/ar674319

最近、夜間飛行では、有料メルマガ購読者数のとりあえずの目標を300人としています。月2回配信で総文字数3万字のコンテンツ規模で、購読料700円で購読者数300人を達成していれば、それほど無理なく継続させることができると考えているからです。


また、最近配信された「津田メルマガ」内の連載でも記しましたが、有料メルマガにおいては「いま、この瞬間にほしい情報を提供していること」が重要だと考えます。しかし、残念ながら、そういった鮮度を大切にする有料メルマガも、「ちょくマガ」には少なかったように思います。逆に、書籍化を前提にした内容が多かったという印象です。しかし、それは「死亡フラグ」だと思っています。書籍化を前提にした内容ならば、読者は、書籍が出てから購読という選択をすると思われるからです。

【参考記事】
・渡辺文重の「週刊有料メルマガレビュー」《第56回》
http://www.targma.jp/tsuda/20141129/post2306368/

「メルマガを書籍に」というアイデアですが、私は「俺、有料メルマガの連載をまとめて書籍にしようと思ってるんだ!」という死亡フラグをこれまで何度も見てきました。2014年7月~9月にかけての『週刊少年ジャンプ』の発行部数が約260万なのに対し( http://www.j-magazine.or.jp/magadata/index.php?module=list&action=list&period_cd=26 )、『ONE PIECE』単行本の発行部数は400万だと言われています( http://www.op-gold.com/article.php?article_cd=1516 )。『ONE PIECE』の単行本を買う「ファン」であっても、140万人は単行本が発売されるまで待つ時代に、「お前は何を言っているんだ?」という話です。




ところで、このニュースを最初に知ったのは、桃井はるこ氏の有料メルマガでした。

「しえすたREM」vol.021
http://chokumaga.com/magazine/?mid=150&vol=21

お知らせ

平素より、ちょくマガ「しえすたREM」をご愛読いただきまして、誠にありがとうございます。

ちょくマガは、2014年度をもちまして、サービスを終了することとなりました。
それに伴いまして、「しえすたREM」は12月いっぱいで「ちょくマガ」での配信を終了し、
1月からは株式会社ドワンゴが運営するニコニコチャンネル「ブロマガ」でのみ配信とさせていただきます。URLは以下となります。

http://ch.nicovideo.jp/siestarem

具体的な移行タイミングは2種類ございますので、お客様の方でお選びになってください。

(1)「ちょくマガ」を11月で購読終了(お客様ご自身で終了のお手続きが必要になります)→12月から「ブロマガ」で購読開始
(2)「ちょくマガ」を12月で購読終了(お客様の手続きは不要です)→1月から「ブロマガ」で購読開始

[画像] http://chokumaga.com/viewer/i/150_100_1416908218_0.jpg/

<注意事項>
・12月の配信内容は「ちょくマガ」「ブロマガ」ともに同じ内容になります。
・現在「ちょくマガ」にてご購読いただいている皆様は、特にお手続きいただくことなく、12月いっぱいで「ちょくマガ」の継続課金が終了となります。※12月から「ブロマガ」で購読希望の方は11月中に「ちょくマガ」の購読手続き終了が必要になりますのでご注意ください。
・購読権限及び課金履歴、お支払方法などの会員情報は「ブロマガ」へは自動移行されないため、再度「ブロマガ」のサイトでのご契約・ご購入が必要になりますので、予めご了承ください。

突然のお知らせとなり、読者の皆様にご迷惑をお掛け致しますことを深くお詫び申し上げます。

これまでのご愛読に心から感謝申し上げますとともに、
今後も、「ブロマガ」での「しえすたREM」をご愛顧いただきますよう宜しくお願い致します。

株式会社KADOKAWA
ちょくマガ事業


このメルマガは2014年11月26日に配信。先ほど紹介した「月額制メルマガ配信終了のお知らせ」が掲載されたのが2014年12月1日。有料メルマガ読者に対して先に伝えるというスタンスなのかもしれませんが、これから購読する人もいると考えれば、告知のタイミングをずらす必要があったのか疑問です。

何にしても、有料メルマガというムーブメントが下火になっていることを象徴するニュースだったと思います。

ところで、「しえすたREM」第21号が配信された11月26日は、桃井はるこ氏の作品が大量にリリースされた日でもありました。

本日11月26日は、作詞させていただいたアフィリア・サーガのニューシングル『ジャポネスク×ロマネスク』、作詞作曲させていただいたエンディング曲『Animetic Love Letter』が収録されているTVアニメ『SHIROBAKO』のテーマソングCD、そしてayumi.さんの10周年記念アルバムで、デュエット曲が収録されている『REAL+1O』という3枚のCDがリリースされちゃう日なのです(順不同!)。


COLORFUL BOX / Animetic Love Letter(TVアニメ『SHIROBAKO』オープニング/エンディングテーマ)(初回限定盤)
COLORFUL BOX / Animetic Love Letter(TVアニメ『SHIROBAKO』オープニング/エンディングテーマ)(初回限定盤)

Animetic Love Letter』はいい曲ですよね。桃井氏は、オタクである私から見ても「お、おぅ」という気持ちになることがある、言ってしまえば、エッジの効いたオタクなのですが、そうした感覚がTVアニメ『SHIROBAKO』に見事、合致していると感じました。

2014年冬アニメでは『デンキ街の本屋さん』も、桃井氏にピッタリな作品だと思うのですが、出演をされているようです。

「しえすたREM」vol.015
http://chokumaga.com/magazine/?mid=150&vol=15

現在放送中のTVアニメ『デンキ街の本屋さん』の2話に、SD子ちゃんSSD子ちゃん役で声の出演をさせていただきました。このキャラクターはセーラー服姿だし顔がSD、SSDになっていて超かわいいです。この回だけの出演予定なのですが、コスプレしてみたいなぁ(笑)。


【Amazon.co.jp限定】 デンキ街の本屋さん (1) (オリジナル2L型ブロマイド付) [Blu-ray]
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『SHIROBAKO』も『デンキ街の本屋さん』も面白いので、お勧めの作品です。

お知らせ
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