「タユタマ -kiss on my deity-」第5話までのレビュー


2009年春アニメで一番注目を浴びているのは、「けいおん!」(公式HP)で間違いないと思います。「けいおん!」は面白いと思いますし、実際、毎週楽しみにしています。ただ、それとは別に、もっと評価されてもよいのではと思う作品があります。それが「タユタマ -kiss on my deity-」(公式HP)です。


◆物語は居候テンプレート


500年前に封印された神様(美少女)が主人公の家に居候するという設定で、主人公は美少女と協力して悪い妖怪を倒していくのが本筋となります。簡単に言えば、「我が家のお稲荷さま。」(公式HP)と似たような話となります。


この作品の設定や物語自体は、それほど目新しくないのですが、キャラクターの描写がユニークだと感じました。「タユタマ -kiss on my deity-」の場合、主人公や親友、父親はヒロインが「太転依(たゆたい)」という人ならざる存在であることを受け入れるのですが、サブ・ヒロインたちは、なかなか受け入れようとしないのです。


◆常識的な反応をするサブ・ヒロイン


Episode #3「ましろ、ひとりぼっち」


ヒロインの泉戸ましろ(cv:力丸乃りこ)は獣耳があったり、尻尾を生やしたりしています。それを隠さなかった結果、泉戸ましろは周りの生徒から気持ち悪がられ、孤立します。それは、委員長キャラの如月美冬(cv:伊藤静)と、妹キャラの小鳥遊ゆみな(cv:水橋かおり)も同様です。


泉戸ましろは「自分が太転依である」という真実を述べるのですが、如月美冬と小鳥遊ゆみなには、それが妄想にしか思えないのです。結果、泉戸ましろに対して当惑したり、怒ったりします。


結局、如月美冬と小鳥遊ゆみなは、泉戸ましろが太転依であるという事実を受け入れるのですが、なかなか分かり合えず、お互いが不満をぶつける描写は、とても印象的だったと思います。


◆敵対的な態度を取るアメリ


Episode #5「すれ違いの雨」


主人公の幼馴染である河合アメリ(cv:下田麻美)は、泉戸ましろに対して、敵対的な態度を取ります。例えば、ヒロインが太転依であることを理由に差別するような発言をします。単に嫉妬しているだけなのですが、そうした発言に対して、主人公の泉戸裕理(cv:日野聡)は、不快感を隠さずにぶつけてしまうのです。


つまり、ツンデレのツンの部分で主人公が怒ってしまうため、幼馴染はデレるタイミングを逸し、更なる深みにはまっていく・・・。アメリが自己嫌悪に陥っていく過程は生々しく、今後どうやって気持ちを整理していくのか、気になってしまいます。


なんだか、「∀ガンダム」のソシエ・ハイムを思い出してしまいました。


◆強い敵とは戦わない鵺(ぬえ)


また、第4話で鵺(cv:中川里江)という太転依が仲間になるのですが、これが憎めないキャラクターとなっています。泉戸ましろの敵である“三強”の1人だったのですが、あっさりと如月美冬に懐柔されてしまいます。また、自分よりも強い敵とは戦わない主義で、その行動はコミカルなのですが、戦いが危険であることを上手く描写する役割を担っています。


◆今後の見所


主人公からひどい仕打ちをされた河合アメリは、どうやら敵の太転依に組するようになります。「宇宙をかける少女」(公式HP)の獅子堂ナミと一緒ですね。また、第6話では、いままで存在感が薄かった小鳥遊ゆみなにも変化が起きるようです。


原作ゲームをプレーしているわけではないので、今後、どのようになるのかは分かりませんが、楽しめる程度に生々しい人間関係が描かれることを期待します。


最後に・・・。現在、絶賛更新中のサカつく×サポティスタも、よろしくお願いします。